風俗店のキャッシュレス事情を考える - nognogの風俗コラム ｜口コミ風俗情報局

キャッシュレス社会ということで「何とかペイ」が乱立して覇権を争っています。一方でお札も新しくなるなど令和のお金事情は平成と大きく変わるようです。

「日本はキャッシュレスが遅れている」というネット記事が多いのですが、実際はホテルの宿泊や航空券の購入など比較的高額な買い物でクレジットカードが使われることが多く、金額ベースで見れば決してキャッシュレス決済が遅れている訳ではないと言われています。

そんな中でもこの業界は今も現金決済が主流でして、一部でクレジットカードによる決済が行われている程度ということは皆さんご存知だと思います。今回はこのあたりを少し掘り下げて触れてみたいと思います。


[古くからカードが使えた吉原]
吉原などでは古くからクレジットカードが使えていました。お店は業種上カード会社と直接契約できないため、カード会社と契約している洋服屋さんなどが「カード屋さん」としてお店にやってきて決済を行っていました。このためお客には洋服を買ったという名目で請求が来ることになりますし、「カード屋さん」のマージンが発生し現金払いよりもかなりの割増になっていました。

もちろん目的外使用ですから発覚すれば契約解除となりますが、当時はカードに凹凸で刻まれた番号や名前をインプリンタという機械で複写するアナログな時代でしたのでカード会社はどこで決済したか分からず吉原ではまかり通っていました。

他にも居酒屋など普通の飲食店をグループで経営し、そこがカード会社と契約して手に入れたインプリンタをヘルスなどに置いて決済できるようにしていたグループもありました。現在はタクシーなどでも携帯電話の回線を使ったオンライン決済になっていますからインプリンタが使われる例はなく「カード屋さん」も過去の存在になりました。


[今もデリとかでカード決済できるよね？]
インプリンタが使われなくなった現在でもデリなどではwebサイト上で事前決済ができるお店があります。こちらもお店がカード会社と直接契約しているのではなく中間にオンライン決済会社が介在しています。規模の小さなweb通販などのために作られたシステムを利用したもので、カード会社と直接契約できないような業種でも利用可能な場合があります。

もちろん中間マージンを取って現金払いより少し高くなる場合があります。必ず確認の上でご利用ください。


[クレジットカードを使う場合はここに注意]
「カード会社のポイントやマイルが付くから」とカードを積極利用されている方もいらっしゃいますが、この業界でカードをお使いの場合は以下の点にご注意ください。

(1)カード利用による割増を確認する
カード利用の場合は20%以上の割増を取るお店もあります。割増がいくらか
必ず確認の上でご利用ください。カードのポイント還元は高いところでも2%くらい。割増が5%なら「ポイントをもらう方が損」です。

(2)利用金額を確認する
(1)の割増額以上に変な額が追加されていないか必ず確認を。しれっと上乗せされていることもあり得ます。

(3)中間決済会社のリスクを知っておく
カード会社と直接契約の場合、カード会社から情報が流出して不正使用されてもその金額はカード会社が補償（請求放棄）してくれます。ところが中間に挟まる決済会社から情報流出した場合は不正使用があってもカード会社は責任を取りません。不正使用の全額を支払わなければならない場合もあり、そういったリスクを承知の上でカードを利用してください。お店の信用度と決済会社の信用度は全く別です。


[カード以外のキャッシュレス決済は？]
この業界、ＱＲコードなどクレジットカード以外のキャッシュレス決済ができるお店はほぼありません。これは「お店側がやりたくない」「やろうにもできない」理由があるからです。


[なぜキャッシュレス決済をやりたくないの？]
女の子のお給料は現金でその日払いがこの業界の基本です。女の子側も月給や週給ではなくその日払いを希望しており、それも振り込みではなく現金での支給を希望します。支払い条件を変えたらお店を辞めてしまうかも知れません。

従って後日お店にお金が振り込まれる決済手段ならばその間の運転資金、すなわち手持ちの現金がないと女の子にお給料を支払うことができません。もしお客全員がキャッシュレス決済をするならば売り上げの約半分の運転資金が必要になります。一方で多額の現金をお店に置いておくことは持ち逃げのリスクがあります。

表向きこういった理由からキャッシュレス決済に消極的なお店が少なくないと思われます（裏の理由もありますがその辺はご勘弁を）。

＃ちなみにオーナーからは１日の締めが終わったらコンビニATMに売り上げを入金するよう指示されていました。なので事務所はコンビニのすぐ近くにありました。夜間お店の金庫に入れておくのは釣り銭だけです。


[やろうにもできないって？]
この業界、「何とかペイ」をやろうにも「信用度が低い」として加入させてもらえないのです。

ただ「何とかペイ」のうちＩＴ業界が行っている決済会社やそこから契約を集めるよう委託されている会社の中にはシェア欲しさにこの業界に契約を持ち込んでくるところも出てくるのではないかと言われています。そうなれば便利になりますが、筋のよくないお店の中には架空の売り上げを請求しお金を引き出そうとする連中も出てくるでしょうね。

＃「オレオレ」とか「振り込め」の上層部の連中も「何とかペイ」の悪用を目論んで研究を進めているとの噂ですよね。

数は少数でも架空請求を行う連中が荒らしてしまえば業界全体が締め出しを食らうことになるでしょう。


[将来はどうなるの？]
大手ポータルが予約から決済までをシームレスで行えるシステムを導入しキャッシュレス決済が主流になればクレジットカード利用時の割増は縮小または廃止される可能性があります。

中間決済会社と提携すれば実現は割と簡単ですし、実現すれば予約から決済までシームレスにできます。ポータル側も広告掲載料＋予約システム利用料に加え決済仲介手数料が懐に入るので美味しいでしょうね。お客はワンストップで女の子選びから予約・決済まで完了できることになると思いますし、お店の悩みの種になっている予約の無断キャンセルに対しても決済額からキャンセル料を引いて返金することができるようになります。

ただこうなれば予約や決済機能を持たないポータルとの差が大きくなり「フルサービスを提供するけど維持費が高いポータル」と「維持費が安いけど広告掲載だけのポータル」に分かれてゆき、中途半端なポータルは淘汰されることになるかも知れませんね。


一方で現金払いや電話での予約はニーズが根強く完全には廃止できないと考えられます。初めて使うお店が信用できるかどうかはお店の電話対応を確認すれば大体分かります。Webサイトは外注できますが電話対応は外注できませんから、今後も電話確認はお店を知る大切な手段であり続けると思われます。