小説「おっぱい守事件」ネタばらし解説 - 洗濯屋のケンちゃんの風俗コラム |口コミ風俗情報局

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洗濯屋のケンちゃん(15)
風俗コラム『小説「おっぱい守事件」ネタばらし解説』
タイトル小説「おっぱい守事件」ネタばらし解説
投稿者洗濯屋のケンちゃん
投稿日2022年01月26日
『小説「おっぱい守事件」ネタばらし解説』
さてネタばらし解説です。





『小説「おっぱい守事件」』の本編を未読の方は、このコラムを読まずにまず本編を読んでください。
超ネタバレなので、ここを先に読んでしまうと本編を読む価値がなくなってしまいます。
え?元々読む価値なんてないぞ、って?
まあ、そう言わずに読んでくださいよ(^-^*)





さて、以下はネタバレ解説です。


まず簡潔に端的に述べると、

・この小説はすべて2021年5月1日の1日に起きた出来事

・章を時系列で並び替えると、2→1→4→3→5→6の順になる

・つまり1~4章の"僕"はすべて別人

・4でもらったおっぱい守が3の後でなくなっていたのだから、犯人は3の僕すなわち高木しかあり得ない

ということになります(^-^*)

つまりこの話、1章から4章まで、同じ人物が何度も繰り返し同じ姫さんに入って初回指名から常連客になっていく過程を描いている小説、と勘違いして読んでもらえるように”小細工”して書いていた、ということです(^-^*)

上手く引っかかっていただけたでしょうか?(笑)

このような、読者を誤読するよう誘導するような書き方を、ミステリーの世界では「叙述トリック」と呼ぶのですが、あくまでミステリーのトリックですから、読者がそれをきちんと読み解くための「手がかり」は小説中に記述する、というのがルールです。
(誰かがそう決めたわけではないので、ルール無視の作品も多数ありますが)
で、その「手がかり」は本作では、日付に関する記述です。

第一章では、「今日から5連休」という記述があります。”僕”の職場は暦通りで(週休2日)、この日が5連休の初日で、かつその前日を休めば7連休になった、と書いています。その前の駒田との会話で、この時期には既にコロナ禍が始まっている、とも書いているので、この条件を満たす日は2021年5月1日しかありません。

第二章では、「令和になって今日でちょうど2年経つ」というセリフがあります。平成から令和に年号が変わったのは5月1日ですから、そのちょうど2年後は令和3年(2021年)の5月1日、ということになります。

第三章では「緑茶の日」というキーワードが出てきます。これは日本茶業中央会が定めている日で、立春から88日目を緑茶の日としています。通常の年は5月2日になるのですが、閏年では5月1日になります。ところが2021年は閏年ではありませんが5月1日でした。
で、この流れで店長の話題になったときに、「オリンピックのチケットがキャンセルになった」というセリフが出てきますが、これは2020年にオリンピックが延期となり、チケットの払い戻しが開始された2020年11月頃の話をしています。延期が決まったのは2020年3月でしたし、最終的に無観客になったのは2021年7月のことだったので、この「店長が泣きべそをかいていた」のはいつのことか、厳密には複数の解釈ができるのですが、2021年7月とすると、この日以降の「緑茶の日」は2022年5月2日となり、今現在より未来の日付になってしまいます。
というわけで、店長は2020年の秋にチケットの払い戻しが始まった時に、泣く泣くキャンセルした、という話をしていたことになるわけです。
ということで、2020年秋以降の「緑茶の日」は2021年5月1日、ということになります。

第四章では、この日が瀬奈の27歳の誕生日、という話が出てきます。
第一章で、瀬奈は自分で自分の源氏名を決めるときに、自分が産まれた日に有名なF1レーサーが事故死して、その話をF1ファンだった父親に聞いていたことを源氏名の由来にした、と言っています。
つまり、「瀬奈」という源氏名はアイルトン・セナから採っているわけです。
アイルトン・セナが事故死したのは1994年5月1日です。従ってこの日が瀬奈の生年月日なので、27歳の誕生日は2021年5月1日になります。

細かいことを言えば、セナが事故死したのはイタリアのイモラで、日本とは8時間の時差があります。
セナが死亡することになる事故を起こしたのは現地時間でも日本時間でも5月1日なのですが、公式なセナの死亡宣告は、現地時間では5月1日ですが日本では日付が変わって2日になっていました。
ですが、死亡の原因となる事故が1日に起きていること、セナが実際にはほぼ即死の状態だったこと、等から、日本でも5月1日がセナの命日、とされています。
ここ、ミステリーマニアなら絶対ツッコんでくるところですし、逆にこの時差を逆手に取って読者に日付を誤認させるトリックも成立しそうなので、予防線を張っておきました(笑)

…え?セナなんて知らない?
…まったく今時の若いもんは…(笑)
ま、それでも"F1 事故死"とでも検索すればセナの名前は出てきますから、そこで見当がつくでしょう(笑)
私と同年代くらいの人は、下手すれば最初に瀬奈の名前が出た時点でセナの名前は思い浮かべたと思います。

実際、1994年生まれの女性で星奈とか世菜とか瀬奈といった、"セナ"と発音する名前の人、かなり多いらしいです。確かあの年に生まれた女の子の名前のランク上位に入っていた記憶があります。

というわけで、第一章から第四章まで、すべて同じ2021年5月1日のお話、ということは”きちんと読めば分かる”ことなのです。いや、きちんと読ませないために書き手はあれこれミスリードを仕掛けるわけですが(笑)

そして、各章には時間帯に関する記述もちゃんと書いていて、さらに第三章の瀬奈のセリフを補完すると、この日の瀬奈は11:00~19:00出勤(すなわち19:00最終受付)で、枠間のインターバルはこの店では30分確保してあるので、すべて120分で各章を並べ替えると、

1枠目は第二章(11:00~13:00)
2枠目が第一章(13:30~15:30)
3枠目は第四章(16:00~18:00)
ラストの4枠目が第三章(18:30~20:30)

の順になります。第三章は瀬奈が10分ほど遅刻しているので、それだけズレますが。

つまり。
第四章(3枠目)の客(桜井)からもらったおっぱい守が、続く4枠目が終わった頃にはなくなっていた。さらに第三章で”僕”はおっぱい守とは明記していませんが、それを瀬奈のバッグに見ています。これは"おっぱい守"を画像検索でもしていれば分かると思います。
なので4枠目が始まった時点ではおっぱり守はなくなっていなかった、ので、おっぱい守を盗んだ犯人は4枠目の客である高木以外にはあり得ない、ということになります。犯人確定(^_^)/

もちろん第五章も同日の話です。これが後日だと犯人が絞れないですから。
ここの日付特定は少し難しいです。美香が、「阪神が一昨日の中日戦に勝って、13年ぶりの4月首位を決めた」と言いますが、実はこれが2021年4月29日の出来事なのです。
これは記述から調べてもまず分からないと思います。先に1~4章の記述で2021年5月1日、という日付に気づいていれば、美香のセリフからその前々日の2021年4月29日のニュースを検索すればヒットする、という少々難易度が高い手がかりとしています。
ともあれ、ここまで解読することができれば、犯人は高木しかいない、ということが分かる、という仕組みにしています。

ちなみに。
第五章でレストランに場所を移してのシーンですが、ここは瀬奈が美香に礼を言うセリフから始まっています。その後、美香が「大事にしてね」というセリフが入ります。
ここは実は、美香が瀬奈を誕生日のお祝いに食事に誘っているわけなので、美香から瀬奈に誕生日プレゼントを渡していたわけです。当然その前には誕生日おめでとうと乾杯もしているはずです。
ただ、そのあたりのシーンを書いてしまうと、ヒントとしては大きすぎるので、そこは省略して、それでも軽いヒント(違和感)として残しておきたかったので、ああいう書き方になった次第です。

そういう軽い違和感は、ヒントとしてあちこちに配置しています。

例えば、第二章の"僕"は、かなり背が高い描写をしています。第一章では瀬奈が"僕"の首に手を回した、のに対し、第二章では首にぶら下がってきてますし、"僕"もキスするために身を屈めるような動作をしています。

また、第二章で瀬奈が「今日の部屋はいつもは美香の部屋」と言います。
そして第五章でも瀬奈が美香の部屋を使っていたことが分かるセリフがあります。
ここで「あれ?もしかして第二章と第五章は同じ日?」という疑惑を持って、その疑惑の目を持って読み返せば、どの章にも日付を特定できそうな記述があることに気づいて…という局面です。
まあもちろん、「この日も美香の部屋を借りたのか」とスルーしてしまえばそれまでですし、作者的にはそれを期待しているわけですが(笑)

第三章と第四章に至っては、もう人格がかなり違う(笑)
特に「他の客」に対する反応はこの二つの章では意図的にかなり変えています。
まあこのあたりは、回を重ねたことによる心境の変化、あるいは"僕"の成長と解釈することもできるように、描写はかなり慎重に書いてはいます。違和感が大きすぎると「別人じゃね?」って気づかれやすくなるし、違和感が小さすぎるとミステリー的にアンフェア感が増大するので(笑)

まあ、そのあたりは上手くいったのかどうかは、書いた本人ではなかなか分からないのですがね(笑)

まあぶっちゃけ、ミステリーの叙述トリックとしては、難易度は低い方だと思います。
ミステリーを読み慣れたスレた読者であれば、第二章で令和になって2年、というセリフが出てきた時点でこの小説の構造を見破られていても不思議ではないです。
(わざわざ日付を特定できる記述してるぞ?→他の章ではどうだ?→検索して調べてみたら全章同じ日じゃん!→ならこの"僕"はみんな別人かよ!、て具合に笑)
でもまあ、このサイトのコラムですから、そこまでスレた人はいないだろうし、もっと凝った手がかり配置とかやりだすと際限なく長くなっていくので、このあたりが適当なのかな、と思った次第です。

一方、読者を「1人の僕が瀬奈にハマって常連客になっていくお話」と誤読してもらうためのミスリードの仕掛けは、第一章から四章までの視点を「僕」という第一人称にすることと、その「僕」を瀬奈が複数の章で「すーさん」という同じあだ名で呼ぶこと、がメインです。

ちなみに、この「一人称の"僕"を語り手にし、かつ同じあだ名で呼ばせることによって、別人を同一人物と誤認させる手法」はかなり有名な小説に前例があります。
実は第六章中に、その小説を読んだ人にだけ分かるような書き方で、その小説の話を出しています。
なので二番煎じといえばそれまでなのですが、それを4人重ねたのは前例がない…はず(^-^*)

それと重要なのは、章を時系列順ではなく、瀬奈に入った回数順に並び変えていることです。つか、これをやらないとトリックが成立しません(笑)

瀬奈が複数の客を同じあだ名で呼ぶことについては、第六章で少々苦しい言い訳をしていますが、客が予約時に偽名を使うことまで入れ込んでいるので、まあ良いですよね?(笑)
また、この同じあだ名で呼ぶ「仕掛け」は第二章で読者に「同一人物」という刷り込みをした時点で役割は果たしていますし、その日の4人の客全員が”すーさん”だと解決編でネタばらしした時に却って不自然になるので、そのあたりはちょっと苦労しています。違う名前を瀬奈に呼ばせるとトリックがバレてしまうし。

なので、第三章で「実は本名は鈴木ではない」という人物を出し(第一章の僕も鈴木は偽名のようですが)、さらに第四章では瀬奈に"僕"の名前を呼ばせていません。名前を呼ぶ方が自然なシーンでも決して瀬奈には"僕"の名前を呼ばせていないので、ここは非常に危ない局面でした(作者的に笑)

ので、ここは第一章で"僕"に、"あの時"に名前を呼んでもらえるんだったら本名で予約しようかなと思う、という記述を入れて、第三章の伏線にしています。
ただし、第一章の"僕"は、僕の場合はこれで良いのか、と言ってます。これは本名を名乗っても"すーさん"というあだ名は変わらない、という意味を含んでいます。彼の本名は設定してませんが、須田とか菅原とかいう名字なのでしょう、多分(笑)
というわけで、ここはミスリードとヒントを同時に張っている箇所でした(^-^*)

ということで、第三章では妙にカリカリしていた僕が、第四章ではさらに回数を重ねることで瀬奈と安定した関係を築くことができ、細かいことを気にしなくなった、という「読み違え」をしてもらえるような表現をしているつもり、なのですが…(^_^;
その一環で、名前を呼ばれるかどうかはどうでもよくなった、みたいな解釈をしてもらえていれば、大成功だったわけですが(笑)

そのあたりの書き方を苦労しているうちに、その瀬奈の客への呼び方を、高木がおっぱい守を盗んだ動機の一部に組み込んだりもしてみました。

ちなみに本筋とは関係ない余談ですが、この話の登場人物は、ほぼ1980~2000年代のF1関係者から採っています。
瀬奈はもちろんアイルトン・セナです。
美香は1998と1999年のF1チャンピオンのミカ・ハッキネンです。歴代のF1ドライバーで私が一番好きなドライバーです。その理由を知りたい方は、”2000年ベルギーGP ハッキネン”で動画検索でもしてみてください(*^^)v
ボーイとして名前が出てくる片山は片山右京(私的に歴代日本人F1ドライバーで一番好きなドライバー)、中嶋はもちろん日本人最初のF1パーマネントドライバーの中嶋悟。
第一章の「僕」である鈴木は(どうやら偽名のようですが)鈴木亜久里です。亜久里じゃなく鈴木利男を思い浮かべた人はマニアックすぎます(笑)
高木も鈴木を偽名に使ってました。偽名にはよく使われそうな苗字なので(笑)
そしてその犯人の高木は高木虎之介です。

ちなみに名前が最後にちらっと出てくる第四章の「僕」である桜井は、1980年代前半にホンダF1の黄金期の基礎を築いたホンダのエンジニアかつ総監督の桜井淑敏です。
ちなみに店長は結局名前を出しませんでしたが、後藤という名前は設定していました。桜井の跡を継いでホンダ黄金期を作ったエンジニアで総監督の後藤治です。
第一章で出てきた駒田だけがF1と関係ない名前ですが、ここを書いていた時はまだ、名前をF1縛りにすることを思いついてなかったんですよね。今だったら今宮とか川井あたりにしていたでしょうね(笑)

なお、最後にお断りしておきますが、この話に登場した瀬奈や美香にはモデルとなった人物は存在しますが、会話内容やエピソード、プレイ諸々はほぼフィクションです。会話の短いやりとりとかプレイのある瞬間などは実際の体験から持ってきているのもありますが、1シーン丸ごと実話を基にしたエピソード、というのはありません。
そもそも構成上の縛りや伏線張り、ミスリードを仕掛けまくっているので、実際のエピソードをそのまま書ける余地はほとんどないのです(笑)

というわけで、蛇足ではありますが小説のネタバレ解説をしてみました。
多少なりとも楽しんでいただければ嬉しいです。
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50代半ばのオヤヂです。
風俗は年に数回しか遊ばないので、レビュー数も伸びないと思いますが、お暇な時にでも覗いてみていただければ嬉しいです(^-^*)
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