タイトル | これぞ!イイおんな!古典における風俗のイイ女の描き方 |
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投稿者 | 猫饅頭 |
投稿日 | 2022年07月14日 |
『これぞ!イイおんな!古典における風俗のイイ女の描き方』 風俗における「イイおんな」とは何か。 その一例として、江戸時代前期の浮世草子作家の井原西鶴の天和二(1682)年の名作『好色一代男』がある。それを紹介する。 主人公は富裕な町人の息子として生まれた浮(うき)世之介、以下、世之介という。7歳にして恋を知り、幾多の恋愛?経験を経て、浮世の好色を尽くし、60歳(いわゆる還暦)におよんで女護ヶ島(女だらけのパラダイス)に舟出した世之介の一代記である。(←羨ましい) 女性の理想が世之介48歳の時の「野秋兩夫に目ゆる事」の中に記載されている。「兩夫」とは、世之介と傳七の二人(兩夫)を「野秋」がうまく鮮やかにもてなす場面で世之介も感じ入っている。 その野秋の様子は「生まれつきての仕合、帯解けば肌美しく、暖にして、結髪の乱るるを惜まず、枕は何時となく外になりて、眼色微に青み入り、左右の脇下湿ひ、寝衣汗に浸し、腰は畳を離れ、足の指頭屈みて、萬につけて故とならぬ働き、人の好くべき第一なり、可笑きは、折々啼く聲鵺に似て、蚊屋の釣手も落つる所を、九度まで取て締め、其好カな強蔵も乱れ姿になつて、短夜の名残、さて火を点し、美しき顔を見るに、繪に画きし虞子君は物いはず、さらばやといふ其ものごし、あれは何所から出る聲ぞかし」とある。(※明治版の『好色一代男』以降は、一部は「○」などの伏せ字となっている) この女は、「美しき顔」とあることから、野秋は美人だったのであろう。彼女が帯を解き、裸になれば、暖かく、美しく結いそろえた髪が乱れるのもかまわずに、その快感に髪を振り乱し、ついには枕さえも布団の外に飛び出してしまうほどの激しさである。快楽で、彼女の眼は虚空をにらみ、白目がちとなり、脇の下は汗でしっとりと濡れ、寝巻きさえもグッショリと汗で湿り、快感のすさまじさは、身体に力が入り、腰は布団から持ち上げられ、足の指は開き、そり上がり(演技ではなく本気という意味)、すべてについて普通の姿ではない動きは、セ〇〇〇の中では人に好まれるものである。 また、時々に湿った啼き声は鵺(妖獣)の啼く声に似て、妖艶でかん高く、すさまじい。そして、釣ってある蚊帳も激しい動きに落ちてしまうほどである。その達すること、アソコは痙攣で九度〇り、その好き者の男たちさえも乱れに乱れてしまう。 終わった後(短夜の名残)は、蝋燭に火を灯し、美しい顔を見る。それは、絵に描かれた虞美人のようで、何も言わず、「さようなら」という振る舞い、物腰は、素晴らしい。あの声はどこから出るのだろうか、と。 つまり、風俗でいう「マグロ」の反対である。つまり井原西鶴先生は、上記のような女性を理想の一つとしたと考えられる。 現在、我々が風俗嬢に求める、いや、妻や恋人など女性に求めている理想の典型の一つである。しかし、毎日がこんな状態だと、男は身体が持たないかも知れない。 | |
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